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世界の常識?輝く女性の健康管理!

もうすぐ冬季オリンピックが始まります。2月9日が開会式ですね。
とっても、楽しみで、ワクワクしています。

今回は、92か国約3,000人の選手が出場の予定だそうです。
自分の試合日程に合わせて、選手の皆さまは最後の調整中でしょうか。
私はこたつにはいってぬくぬくテレビ観戦するだけですが、しっかり応援するために風邪などひかぬよう私も!体調は万全に整えたいと思っています(笑)。

さて。3,000人のオリンピック選手の約半数は女性です。
そして、ほとんどが10代後半から20代の若い方たちです。
競技の練習はもちろんなのですけれど、体調管理として、月経はどうしているのかなぁ、と、婦人科の医師としては、ちょっと気になるところでした。

そう思っていたところ、去年暮れ2017年12月に「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」という働く女性向けのイベントで、元サッカー選手、なでしこジャパンの澤穂希さんが現役中はずっとピルを飲んで体調管理されていたことをお話しされて、ちょっと話題になりました。
現役中は、ピルを飲むことによって、月経を軽くし、また月経の日も調整し体調管理をしていたそうです。
また、現役引退後は、ピルをのむことをやめて、なんと1回目の排卵で妊娠、無事出産されたそうです。

実は、ピルをずっと飲んでいた方が、ピル内服を中断すると、しばらくは妊娠しやすい状態が続くというのが判っています。(日本産婦人科医会 産婦人科医による女性アスリートへの対応 安達知子 2014・5・14より)
澤さんが出産されたのが昨年1月ということなので、お子さまはちょうど1歳になったところですね。



女性は月経周期によって体調が変化します。アスリートの中にもその体調の変化で成績が変わってくるという話も聞きます。
いつも、月経中に自己記録を更新するという選手もたまにいるようですが、たいていは、月経前や月経中はパフォーマンスが落ちるようです。

欧米の選手ではピルを飲んで月経を調整するのは当たり前になってきているようで、およそ90%の選手がピルを内服しているそうです(日本産婦人科医会 産婦人科医による女性アスリートへの対応 安達知子 2014・5・14より)。わが国日本では、「ホルモン剤=怖い」のイメージがいまだに根強く続いているようで、日本臨床スポーツ医学会のアンケートではトップアスリートでも5%くらいしかピルの服用経験がなかったそうです。

日本では誤解されがちなピルですが、月経の時期をコントロールすることもできるし、月経痛を軽くし月経量を減らすこともできるし、ドーピングに引っかかることもないし、将来の子宮内膜症などになるリスクも軽減できる可能性もあるし、ニキビが減って肌もキレイになるというメリットもあるので、日本の女子アスリートは、もっとピルを活用したらいいんじゃないかと婦人科の医師としては強く思います。
ピルはもともとは避妊薬として開発されましたが、今は生活改善薬として、女性の生活の質を向上するために使われています。
保険適用内のお薬もあります。

オリンピックに出るようなトップアスリートも、中学や高校の部活でスポーツに頑張っている選手も、スポーツ以外での活動で頑張っている女の子たちも、月経の時はいつも通りパフォーマンスが出ないな、と感じている方は、一度婦人科の医師に相談してみてくださいね。

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